第51回 少年少女講習会の様子

この度、静岡教区教化団主催 第51回少年少女講習会が菊川市 応声教院様を会場として勤めて参りました。
限られた時間ですが、63名の子供たちと一緒にお寺で生活をします!
当日は台風の接近により、静岡県内も地域によっては大雨、強風に見舞われました。
幸い、会場付近は雨も風もなく、予定通り開催。

 

初日、十二時半過ぎからオリエンテーションがスタート。
半数以上が初めての参加で、みんな少し緊張気味…。
そんな子供たちに中川会長から
「慣れないお寺での生活に不安もあると思うけど、みんなのそばにはたくさんのお坊さんがいます。なにかあったらすぐに声をかけてください。一緒に楽しみましょう!」とお話がありました。
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それぞれ班に分かれて自己紹介をしたら、まずは山本上人からお寺での作法のお話。
手の合わせ方、お念仏のお称え方、礼拝の方法、大切なお話が続きます。
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今回の講習会での一番のテーマは「阿弥陀様と親しくなろう!」
そのために、阿弥陀様にお供えする散華(さんか)とロウソクを子供たちと一緒に手作りします。
阿弥陀様ってどんな仏様?阿弥陀様にお供えするものってなんだろう。なんのために、お花やロウソクをお供えするのかな…まずは安井上人、林上人のお話を聞きます。
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「阿弥陀様という仏様は、試験に合格させてくれたり、お金持ちにしてくれたり、そういった目先だけの願いを叶えてくれる仏様ではありません。阿弥陀様は、みんなが大切な人と、これから先ずっとずっと離れないようにと願って下さっている。この世だけじゃない。命終えた後の世の幸せまでも願ってくださる仏様なんですよ。そんな仏様にお互いに手を合わせていこう。」
「供養するという言葉を聞いたことはあるかな?仏様にお花や食べ物、ロウソクをお供えすることを供養するといいます。この供養を通じて私達自身の心を『養ってくれる』から供養と言うんだよ。」
「ロウソクに火がつくと周りがぱっと明るくなるね。これは私達を照らす阿弥陀様の御光です。私達の心は自分のことばかり考えて、真っ暗です。周りのことがちっとも見えません。そこで阿弥陀様の御光を頂いて明りがあればどうですか。相手を思いやる気持ちを持つことができます。」
又、お供えする花というのは、一つの花瓶に収まっていますね。高さが違う、色が違う。種類が違う。でも、とても綺麗だよね。そんなお花のように仲良く暮らしていこう。ロウソクとお花をお供えし、私自身の心を養っていきましょう!」

 

安井上人、林上人のお話を聞いたら、さっそく班に分かれて散華とロウソク作り。
散華は好きな柄を選んで、色を塗ったり、自分で絵を描いたり。
綺麗な色に塗れたかな?上手に散華の形に切れたかな?みんな真剣に作っています。
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ロウソク作りは島田市で活動する「おしゃれぼーいず」さんの力をお借りしました。
白いロウソクを色のついた溶けたロウソクにつけて、色づけをしていきます。
どの色にしよう…こっちもいいな…見て!こんなに綺麗な色になった!子供たちは悩んだり、びっくりしたり、喜んだりしながら、阿弥陀様にお供えするロウソクを一生懸命作ってくれました。
作ったお守りの開眼法要。

 

散華、ロウソク作りが終わったら、『よい子のポケットブック』を持ってお寺の中で、スタンプラリー!阿弥陀様のこと、法然上人のこと、お釈迦様のこと、お寺のこと、指導員の先生がポケットブックから出題。班で協力して答えがわかったら、スタンプを押してもらいます。阿弥陀様やお寺のこと、わかったかな?
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そして、皆のお待ちかねのおやつタイム。
夏と言えばやっぱりかき氷!イチゴにブドウにメロン!みんな食べたい味をどんどん注文していきます!
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お風呂から戻り、「夕日の集い」。法話をして下さるのは竹内上人。
『私達は皆、「欲」の心を抑えきれない。あれもほしいこれもほしい。時には、誰かを傷つけてまで手に入れようとしてしまう。ほしい気持ちはわかるけど、そのまま生活してもいいのかな?
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自分の姿は、自分ではなかなか気づかない。だから大切な友達を作って、お互いに注意し合っていこう。大切な人がいるからこそ、自分の欲に気がついたり、欲張っちゃいけないのだと気がつくことができる。そして、お互いに「小欲知足」の生活を心がけていこう。』
欲の心は決してゼロにはできない。だからしょうがないじゃなくて、欲を捨てることが出来ないからこそ、できるだけ欲を離れた生活をしようと心がけていく。そんな思いを込め、お話の最後には大きな声で南無阿弥陀仏とお称えしました。

 

夕飯はみんなが頑張っている間に指導員の方々が作って下さったカレーに焼きそば、ソーセージ!みんな夢中になっていただきました。
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夕飯の後は、講習会の中でも一番大切なお勤め、「ともしびの集い」
昼間、みんなが手作りをした散華とロウソクを阿弥陀様にお供えします。
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真っ暗な堂内の中、子供たちが自分の手で色づけしたロウソク一本一本に、火が灯り、子供たちの顔を明るく照らしています。そのロウソクの火のようにこれから先、ずっと阿弥陀様がみんなのことを照らしてくださっている。そのことを忘れないでほしいと願わずにはおれませんでした。

 

 

二日目の朝、子供たちと「百万遍の念珠繰り」。
お念仏をお称えしながら、大きなお数珠を回していきます。
これだけ大きなお数珠に触れることはなかなかありません。
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そして、プール!!照りつける日差しの中、流れるプールやウォータースライダーを思いっきり楽しみました!

 

プールから戻ったら、二日間お世話になった応声教院様のお掃除。来たときよりも綺麗にしよう!
雑巾を堅くしぼって畳を目に沿って拭く。長い廊下の雑巾がけ。感謝の気持ちを込めて一生懸命掃除を行いました。

 

そして、閉講式。
鈴木教化団長より
「あっという間の一泊二日、楽しかったかな?おうちに帰ったら、まずはお父さんやお母さんに、ありがとうって伝えてほしいな。又、講習会で教えてもらったことを家族みんなにお話してね!そして、来年も是非参加して下さい!」
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最後は子供たちと手を合わせ、大きな声で一緒に南無阿弥陀仏をお称えしました。

 

今回の少年少女講習会では
●『和』阿弥陀様と親しくなろう!
●『輪』友達と仲良くすごそう!
●『話』おうちに帰ってから家族と話そう!
以上の三つのことをテーマとして、仲間と共に計画を練ってきました。
普段の生活を離れ、お寺でしかできないことを子供たちに経験してほしい。またお寺離れが叫ばれる今だからこそ、お寺って楽しい!また行ってみたい!そう感じてほしいと願いながら勤めました。

合掌をしたり、お念仏お称えしたり、そうじをしたり、散華やロウソク作りと慣れないお寺での生活の中で、子供たちは一つ一つ、一生懸命取り組んでくれました。
時には寂しくなってしまう子もいたけれど、最後まで頑張って勤めてくれました。最初は小さかったお念仏の声も最後はとても大きな声になりました。
普段、お寺に出入りすることの少ない子供たち。一泊二日と短い時間ですが、講習会での経験を通じて、子供たちがお寺や仏様を少しでも身近に感じてもらえるきっかけになると信じて今後も活動を続けていきたいと思います。
最後に今回の講習会を勤めるにあたり、不安定な天気の中、カレー作り、やきそば作りをしてくださった諸先輩方。また子供たちのためにと快く会場をお貸しくださった菊川市 応声教院様に心より感謝申し上げます。

静岡教区浄土宗青年会 事務局 山田マン こと 山田雅宣

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